スギヤマ薬品の薬剤師

 杉山貴紀は何故過労死
したのか?

 

 

平成19年5月29日第15回口頭弁論(証人尋問)

 

尋問調書

 

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証人:被告会社証人 Km氏

 

□10:55〜11:15 -主尋問-
    質問者:被告会社代理人 服部弁護士 
■11:16〜11:35 -反対尋問-
    
質問者:原告代理人 水野弁護士
■11:35〜11:37 
-反対尋問-
    質問者:原告代理人 中谷弁護士

□11:37〜11:38 -再主尋問-
    
質問者:被告会社代理人 服部弁護士 
◎11:38〜11:50 -補充尋問-
    
質問者:裁判官
 

 

 

---------------------------

10: 55〜11:15-主尋問-
被告代理人(服部弁護士)

乙第24号証を示す
陳述書ですが,末尾を見ていただきますと,あなたの署名押印がありますが,内容を確認された上で署名押印されたものに間違いありませんね。
      

はい,間違いありません。
   

現在あなたはどこにお勤めでしょうか。
      

Cという調剤薬局で働いております。
   

薬剤師として勤務しているということですね。
      

はい。
   

スギヤマ薬品を退職されたのはいつですか。
      

平成18年3月です。
   

3月の末日をもって退職と。
      

はい。
   

スギヤマ薬品を退職されてからは,すぐにCというところに入ったんですか。
      

いえ,違います。
   

どこにその間は勤務されましたか。
      

K病院に勤務しておりました。
  

そこも薬剤師として勤務しておられたということですね。
      

はい。
  

K病院に薬剤師として勤務された後,Cに入ったということですね。
      

はい。
   

Cに入られたのがいつごろですか。
     

平成18年11月16日付けです。
   

あなたがスギヤマ薬品に勤めてる間,永覚店以外のお店にも異動になっていますね。
      

はい,なりました。
   

どの店舗に異動になりましたか。
      

I店とA店に異動になりました。
   

永覚店はいつまで勤務していましたか。
 

・・・・・・・・・・・。
   

誘導します。乙A第24号証の陳述書には,「永覚店には同16年8月15日まで在籍しました」とありますが,このとおりでよろしいですか。
      

間違いありません。
   

あなたは,スギヤマ薬品に入社してすぐに仮配属で永覚店に入られたということですね。
      

はい。
   

陳述書によりますと,その後,13年5月16日から正社員として本配属になったということですね。
      

はい。
   

その後,永覚店に勤務している間に,管理薬剤師となったことがありますね。
      

はい。
   

いつからか覚えていますか。
      

平成13年6月7日からと記憶しております。
   

杉山さんが亡くなってからということですね。
      

はい。
 

甲A第40号証を示す
末尾の表ですが,平成13年7月10日に変更届受理,変更年月日が13年6月7日,管理者の変更ということで,管理者Kmとありますが,これのことですね。
      

はい。
   

続いて,平成14年6月11日付けの変更届受理で,平成14年5月16日にその他の薬剤師が1名追加になって,Fさんという方になっていますが,この方は実際に永覚店に勤務されたことがあるんですか。
      

はい,あります。
 

そうしますと,14年5月16日以降は薬剤師が2名になったということなんでしょうか。
   

常に2名というわけではありません。
 

どういう状態でしたか。
  

私の休みの日に入っているという状態でした。
 

そうしますと,あなたは13年6月7日から管理薬剤師になったということですが,管理薬剤師になってからも休みは取っていたということですね。
  

はい。
 

いつ休みを取っていましたか。
  

土曜日,日曜日をメーンに取っておりました。
 

あなたがお休みのときには,Fさんという方が薬剤師として追加の届出をされた後は,Fさんが入っていたと。
   

Fさんが入っていらっしやるときもありましたし,もう1名のKsさんが入っていらしたときもありました。

 

Ksさんというのはブロック長ですね。
   

はい,ブロック長です。
 

Fさんが加わる前には,あなたがお休みのときには,だれかほかの薬剤師が入ることがあったんですか。
   

常に入っているというわけではなく,必要に応じていらっしやるという感じでした。
 

だれが来るんですか。
 

Ksプロック長です。
 

ブロック長というのは,そういう必要なときに応援に入るという役割を担っているところもあるんですか。
   

私はそう思っております。


あなたが永覚店で管理薬剤師であった時期のことなんですが,勤務ローテーションは早番,遅番,通し,何が多かったですか。
   

通しが多かったです。
 

通しといいますと,休憩はあるとしても,午前10時の開店から午後9時までの勤務ということになりますね。
   

はい。
 

通しのときには常に午前10時から午後9時まで必ず店舗内にいたんですか。
 

そんなことはありません。
 

実際はどうだったんですか。
   

実際には,ほかの店を見に行くなどで,休憩時間以外に店舗を離れることもありましたし,お店の状況を見て,暇であると判断された場合には,早く帰るこ,ともありました。
 

早く帰るというのは,あなたの判断で帰るんですか。
   

いえ,店長又は店長代理の判断で帰っておりました。
 

帰っていいよということになるんですか。
   

はい,そうです。
 

通しであっても早く帰ってもいいというような変更は,あなたが永覚店に管理薬剤師として勤務している間,どれくらいの頻度でありましたか。
 

月に二,三回はあったと思います。
 

あなた自身,永覚店で管理薬剤師であった間は,管理薬剤師としては具体的にどのような仕事がありましたか。
   

記帳義務薬品の記帳の確認と,あと,管理記録簿の記録の確認を月に1回しておりました。
 

記帳義務薬品の仕事というのはどういう仕事なんですか。
  

今はなくなっておりますが,当時は記帳義務薬品というくくりの医薬品がありまして,その医薬品が入荷するときに,ロットナンバー,使用期限を1つの表に記載するという仕事でした。
 

その記載をあなた自身がするんですか。
   

していません。
 

だれがするんですか。
   

医薬品管理担当のパートがしておりました。
 

パートさんが記載をする,記載されたものをあなたがチェックするという業務ですね。
   

はい。
 

管理記録簿の記載というのはあなたがなされるんですか。
   

はい。
 

これはどれくらいの業務量になるんでしょうか。
   

月に1回,約5分程度です。
 

それが管理薬剤師として加わる仕事ということですね。
   

はい。
 

先ほど,記帳義務薬品のロットナンバーと個数の記載は担当パートがやるということでしたけれども,パートさんは薬剤師さんではないので,薬については素人ということになると思うんですが,具体的にどのように記載するんですか。
   

発注を上げたときに,同時に次の納品のときに入ってくる記帳義務薬品一覧というものが印刷できるようになっておりまして,それを確認しながら,その商品を見て,ロットと使用期限を記入するというふうになっておりました。
 

パートさんでも十分にできる業務であったということですか。
   

はい。
 

永覚店では,倉庫から店舗内へ医薬品とか商品の品出しをしたりという業務がありますね。
   

はい。
 

これはだれが行っていたんですか。
   

主としてパートがやっておりました。
 

主としてということですが,薬などに関してはあなたがやることもあったんですか。
   

はい,ありました。
 

どういうときにやるんですか。
   

永覚店では,医薬品を買うのにお客様が相談されるということも少ない暇なお店だったもんですから,やることがないなと思ったときに手伝っておりました。
 

暇でやることがないときに手伝うということですね。
  

はい。
 

あなたは,先ほど確認したとおり,貴紀さんが突然亡くなったことをきっかけに管理薬剤師になったということですね。
     

はい。
   

あなたは,その年に入社されたばかりですから,入社1年目ということですよね。
      

はい。
   

貴紀さんがそれ以前に薬剤師として行っていたのと同じような仕事を,あなたがすることになったんですか。
      

はい,そう認識しております。
   

何か違っていた仕事,例えば貴紀さんはやってたけど,あなたはやらなかったような仕事は,実際にあったんでしょうか。
      

特になかったと思います。
   

1年目で,1人だけの管理薬剤師として,仕事をこなし切れないとか,業務時間が非常に長くなって大変だとか,そういったことはありましたか。
      

ありませんでした。
   

仕事のためにあなた自身が健康を損ねるということはありましたか。
      

ありません。
 

甲A第17号証を示す
これはあなたが労基署で聴取されたものを労基署の方がまとめたものですが,6ページ,14項に,「杉山さんが亡くなった以降,私が薬剤師1人となりましたが,仕事の量が増えたという感じもないし,減ったという感じもありませんでした。」という記載がありますね。
      

はい。
   

あなたの感覚としては現在もこれと変わらないんでしょうか。
      

はい,変わりません。
   

永覚店では,勤務ローテーション表というものを作っていましたね。
      

はい。
   

実際の勤務は,いったん作成された勤務ローテーション表に記載されたとおりに実施されたんですか。
      

全くそのとおりというわけではありません。
   

変わることもあったというわけですか。
      

はい。
   

あなたの場合,変わることは実際あったんですよね。
      

ありました。
   

どういう場合に変わるんですか。
      

個人的な理由,用事,あとは,店都合で変わる場合もありました。
   

変わるときには,どういう手続で変更するんですか。
      

私,当時は,店長又は杉山さんに相談して変えていただくというふうでした。
   

変更することについて,それは無理だとかいう形で拒否をされることというのは,ありましたか。
      

基本的にはありません。
   

杉山さんの場合も,実際の勤務が勤務ローテーション表と変わることはあったんですか。
   

あったと思います。
 

乙第5号証を示す
これは,平成13年5月16日から6月15日の勤務ローテーション表ですけれども,この中で,杉山さんの勤務について,ローテーション表の記載と実際の勤務が変わってきたという場合を思い出すことができますか。
      

はい。5月16日がC動務というふうになっておりますが,この日はC勤務じやなかったと記憶しております。
   

どういうふうになったんですか。
      

杉山さんが個人で受けていらっしやいました,通信教育のスクーリングがあった日だと思います。この日はお申出によりいったん休みになったかと思います。
   

実際にも休まれたんですか。
      

違います。
   

更にそれで変更になったんですか。
     

はい。
   

どういうふうになったんですか。
   

16日は,翌日からのほかの店の協賛セールの納品があるということで,納品の手伝いに行くために出勤になりました。
 

いったん休みになったのが,更に出勤をすることになったということですね。
  

はい,そうです。
 

あなた自身がそういったことを覚えてるのは,どうしてですか。
   

私もこの表では5月16日が休みになっているんですが,お昼ごろ,店長よりの連絡があり,勤務したからです。
 

16日当日のお昼に電話があって,出てきてくださいということだったんですか。
   

はい,そうです。
 

杉山さんも同じようにやっていたので,記憶に残っているということですか。
   

はい。杉山さんがさっき来たんだとおっしゃってたので。
 

あなたが杉山さんと一緒に働いていた間,杉山さんの仕事の状況というのは,どういったものでしたか。どういう仕事をされていましたか。
   

主として,パートの業務の相談を受けておりました。あとは医薬品の接客販売,あと,私に対して,教えていただくという感じでした。
 

POPを作ったりということもあったということでしたね。
 

はい,していました。
 

レジの手伝いに入るということはあったんですか。
  

はい,ありました。
 

どういうときに入るんですか。
   

基本的に余りお客様がいらっしゃらないお店なので,突然にお客様が2人並ばれたときなどに,一時的にもう一つのレジに入るというような形で手伝っておられました。
 

杉山さんが勤務中,店内で走り回らなけれぱならないようなことというのはありましたか。
 

ありません。
 

杉山さんというのは,あちこちに動いてるんですか。
   

多少の移動はありますが,基本的には医薬品売場コーナー付近にいらっしゃいました。
 

特に,あなたが見たところ,杉山さんが走り回らなければいけないような,忙しい仕事に追われてるというようなことはありましたか。
   

追われてる様子はありませんでした。
 

あなた自身が管理薬剤師になってから,そのような仕事に追われて走り回るということはありましたか。
   

ありません。
 

店内で従業員が走るということは許されていたんですか。
   

許されてなかったです。
 

どうして許されてないんですか。
   

お客様とぶつかってけがをさせたりすることがあったりとかがあるからです。
 

実際にそのような教育を,あなたはスギヤマ薬品から受けたことがありますか。
   

はい,あります。
 

いつ受けられましたか。
   

新入社員教育のときに受けました。
 

あなた,杉山さんの靴が壊れたと聞いたことがありますか。
    

はい,あります。
 

いつごろだったか,記憶にありますか。
    

平成13年の5月中旬だと思います。
 

どういう話を聞いたんですか。
    

杉山さんがスニーカーにこだわってらして,いいスニーカーを買ったんだけど,それを初めてお店に履いてきた日に金具が壊れてしまったという話を聞きました。
 

どうして金具が壊れたんですか。
   

店舗内と倉庫の間にあるスイングドアに靴が引っ掛かったと言ってました。
 

スイングドアに引っ掛かるというのはどういうことなんでしょうか。
    

スイングドアの下のところに,ドアの周りにカバーが付いていまして,そのカバーがちょっと飛び出ていたものですから,そこに引っ掛かるということです。
 

あなた自身も同じような経験がありますか。
   

はい,あります。
 

杉山さんから,仕事が忙しくて靴が駄目になったというようなことを聞いたことがありますか。
  

聞いたことはありません。
 

あなた自身はそういう経験がありますか。
   

ありません。
 

あなたと杉山さんの両方が,午後9時の閉店まで残っていたということはあるんですか。
   

はい,あります。
 

何回ぐらいあったか,覚えていますか。
   

10回程度,あったと思います。
 

例えば,どんなときに,一緒にそれぐらい残ってるということになるんでしょうか。
   

はっきり記憶しているのは,A店の協賛セールの期間です。

 

それ以外にもありましたか。
  

はい,ありました。
 

A店協賛セール以外のとき,あなたと杉山さんが9時の閉店までいたとき,杉山さんは閉店後,何をしているんですか。
   

私と雑談をしたり,アルバイトの子と雑談をしたりとかしていました。

 

仕事は基本的にはしてないということですか。
  

はい,仕事は基本的にはしておりません。
 

杉山さんは,昼休みは取っていましたか。
   

はい,取っていました。
 

どれぐらいの時間を取っていましたか。
   

1時間です。
 

大体もう確実に1時間取れるということですか。
   

はい,まずほとんど取れていました。
 

あなたが1人の管理薬剤師になってからも,あなた自身は昼休みを1時間取ることはできていたんですか。   

 

はい,できていました。
 

そのお昼の1時間の休憩時間以外に,杉山さんが休憩を取るということもありましたか。
   

はい,ありました。
 

どういうときに休憩を取るんですか。
   

おなかがすいたのでパンを食べてきていいかなとか,あとは,たばこを吸ってらしたので,たばこを吸いに行っていいかなということで,休憩をちょっとずつ取ってらっしゃいました。
 

大体,1日でどれぐらいの回数,休憩を取るんでしょうか。
   

1日のうちでというと分からないんですが,大体二,三十分おきにたばこを吸われて,長くても1時間に1回は取られていたかと思います。
 

たばこは,店内のお客さんがいるところでは吸えませんよね。
   

はい。
 

どこか,休憩室とか事務室に移動して吸うわけですね。
   

はい,そうです。
 

吸って,その間は休憩をされていると。あなたが実際,杉山さんが休憩をしている姿を見たことはありますか。
   

はい,あります。
 

あなたも杉山さんも,仕事が忙しくて全然休憩が取れないとか,そういうことはありましたか。
   

ありません。
 

先ほどお店が暇だという話が何回か出てきますけれども,理由はそういったところでしょうか。
   

はい。
 

杉山さんが体重が減ったということについて,あなたは何か話を聞いたことがありますか。
   

はい,あります。
 

いつごろ話を聞いたか,覚えていますか。
   

13年の5月ごろだと思います。
   

あなたと杉山さんの会話の中でそういう話が出てきたんですね。
      

はい,そうです。
   

杉山さんはどういうふうに言っていましたか。
      

名札に写真が付いているんですが,それを見せながら,前はこんなに丸かったんだよというふうに,笑って話していらっしゃいました。
   

あなたが見たところ,そのときに,杉山さんは健康状態はどうだったと思いますか。
      

問題なかったかと思います。
   

やつれているとか,そういう状態ではなかったですか。
      

ないと思います。
   

杉山さんは,今,こんなに丸かったんだよということだったですけれども,仕事がきつくてこんなにやせちゃってというような感じだったのか,それとも,別の感じでのお話だったのか,そのへんはどうですか。
      

私の印象としては,笑顔であったこともあって,やせたということをちょっと喜んでいるように,私は受け止めました。
   

あなたから見て,杉山さんというのは,やせ過ぎだとか,そういった印象というのはありましたか。
      

ありません。
   

体格の印象というのはどうでしたか。
      

普通という印象でした。小がらで普通という印象です。
 

11:16〜11:35-反対尋問-                                                           ページTOPへ

原告ら代理人(水野弁護士)
あなたが永覚店の正社員として配属されたのは,平成13年5月16日ですね。
      

はい。
   

当時の管理薬剤師は杉山貴紀さんでしたね。
      

はい。
   

保健所への登録を見ますと,Kaさん,その後姓が変わってHaさんになってるんですが,Kaさんは,あなたは御存じですか。
      

はい,知っております。
   

あなたが入社された当時,Kaさんはどこの店に勤めてみえましたか。
      

分かりません。
   

M店じゃないんですか。
      

M店ですか,分からないです。
   

とにかく,永覚店にはみえてなかったですね。
      

私がいた当時に限っては,ありません。
 

甲A第40号証を示す
3枚目,これは豊田保健所からの通知なんですが,平成1 3年7月10日の欄を見ますと,あなたが管理薬剤師として登録されていますね。
      

はい。
   

その他の薬剤師としてKsさんが登録されていますが,Ksさんは永覚店には常駐はしてみえなかったんですね。
      

はい,しておりませんでした。
   

あなたは,先ほどおっしゃったんですが,そうすると,1人で通し勤務をやっておられたということになるんですか。
      

はい,基本的にはそうです。
   

そうすると,休みはどういう日に取ってたんですか。
      

先ほども申し上げましたように,土日に主に取っておりました。
   

土日はだれか来るんですか。
      

私は休みなので,来ていたかどうかというのははっきり分かりません。
   

それは,自分が管理薬剤師だから,その他の薬剤師としてだれが来るんだということを店長に確認したことはないんですか。
      

ありません。
  

そうすると,土日は,その他の薬剤師が,まあ,だれが来てたか分からないけども,月曜から金曜まで,あなたは原則として通し勤務と,こういうことですか。
      

通し勤務が主でしたが,すべてというわけではありません。
   

あなたがいないときはどうするんですか。
      

分かりません。
   

あなたは,入社後,永覚店でいろんな仕事を教えてもらいましたね。
      

はい。
   

だれから教えてもらいましたか。
      

杉山さんから教えていただきました。
   

薬のことはもちろん教えてもらったんですね。薬剤師としての仕事はもちろん教えてもらった。
      

はい,そうです。
   

それ以外の仕事も杉山さんから教えてもらったんですか。
      

割合としては店長が半分,杉山さんが半分というふうでした。
 

乙第26号証を示す
21項,「平成13年4月から薬剤師のKmさんが永覚店に来ました。Kmさんはよく働く人で,自発的にレジ台に立ち,本来ならパートが行う業務である商品の移動もやっていました。」,これは間違いないんですか。
     

はい。
    

「ですから,杉山さんにはKmさんの教育係としての役割は増えたと思います」,だから,こういうレジ打ちの仕事とかあるいはその他の仕事も杉山さんからあなたは教わってたんじゃないですか。
      

教わってないです。
   

この陳述書はYさんという方ですが,あなたは御存じですか。
      

はい,知ってます。
   

長いこと,パートをやっておられた方ですね。
      

はい。
   

言わば,パートの中ではペテランの人じやないですか。
      

はい,そうです。
   

それじゃ,この方がこの陳述書に書いてあることは,事実と違うということですか。
      

そうとは思いません。
   

この方は,杉山さんは教育係だったとおっしゃってるんですけど,そうではないんですか。
      

はい。なぜそう思うかと申しますと,レジに関しては,Yさんに教わったからです。
   

ローテーションの変更の件については,あなたは監督署では,ローテーションの変更は一度もありません,一度組んだローテーションの変更は一度もありませんでしたと述べたことを覚えていませんか。
      

覚えています。
   

だけど,それは不正確であったということですか。
      

後から思い返してみたら不正確であったと思います。
   

先ほど,あなた,記億があるとおっしゃった,平成13年5月16日の件ですが,この日は,A店の協賛セ一ルの前日の日のことですね。
      

はい,そうです。
   

その日は杉山さんは,ホテル,まあ,杉山さんに限らないんですが,ほかの正社員の人もホテルに泊まり込んで,そして翌日出勤したんじゃないですか,そういうこと,御存じないですか。
      

はっきり記憶しておりません。
 

乙第5号証を示す
これはローテーション表ですね。
      

はい。
   

あなたの名前も出てると思うんですね。
      

はい。
   

5月27日の欄を見ていただくと,杉山さんのところは「AJ」と書いてありますね。これはどういう意昧か分かりますか。
      

はい。A店へ応援に行くという印です。
   

この日はどういうふうに変更になったかということはあなたは分かりませんか。
      

どういう勤務になったかまで覚えていませんが,A店の応援はなくなったというふうに記憶しております。
 

甲A第24号証を示す
これは,杉山さんの机の前にはってあったローテーション表で,亡くなった後,手に入れたものなんですが,5月27日の欄を見るとC勤務になってますけれども,杉山さんがC勤務だったかどうか,あなたは覚えていませんか。
     

分かりません。
   

乙第5号証と甲A第24号証を示しますが,次の日,5月28日ですが,杉山さんは休みになっていますね。
   

はい。
 

ところが,ちょっとこちら,これを消して,「休」と書いて,何かCと書いてあるようにも読めるんですが,この日はどういう勤務だったかあなたは分かりませんか。
   

記憶にないです。
 

杉山さんは,亡くなった日−−6月7日ですが−−の前日に,1人の薬剤師になって初めて,平日に休みが取れたというふうに,Tさんという婚約者とかお母さんに言ってるんですが,5月28日は出勤したという記憶はない
ですか。
   

分かりません。
 

あなたは,監督署で,杉山さんは休みの日に店を訪れて,A店を見に行くと言っていたということがあったというふうにおっしやっていますね。
   

はい。
 

覚えていますか。
   

はい,覚えています。
 

それは,5月の休日ということですが,間違いないですね。
   

はい。
 

何のためにA店へ行くと言っていましたか。
   

そこまでは分からないです。
 

ともかく,日曜日に休日に店に出できて,A店のほうを見に行くと言っていたことは間違いないんですね。
   

はい,見に行くと言っていたことは間違いありません。
 

「杉山さんが亡くなった以降,私が薬剤師1人となりましたが,仕事の量が増えたという感じもないし,減ったという感じも」ないというふうに,先ほどの監督署の聴取書でおっしゃっていますね。
   

はい。
 

そうすると,亡くなった後,あなた1人で管理薬剤師としてやってたんだけども,減ったとも増えたという感じもないということは,すなわち薬剤師以外の仕事もあなたはやってたから,増えた感じもしないし,減った感じもしないと,そういうことではないんですか。
      

そういうことではないと思います。
   

純粋に薬剤師の仕事だけだったら,当然1人になったら大変だというふうに思うんですが,それはあんまり感じが違わないということは,薬剤師がいても,いろんなパートの仕事とかアルバイトの仕事をやっていたということではないんですか。
      

そういうことではなく,先ほど申し上げましたように,管理記録簿の記載も月に1度,5分程度しか行っておりませんでしたし,あと,記帳義務薬品のチェックも月に1度だけつけさせていただいてましたので。
 

甲A第17号証を示す
後ろから2枚目の17項,上から5行目,「私から杉山さんに『お酒飲まれるのですか』と開いたことがありました。そのとき杉山さんは『彼女と家でワインを飲むよ』と言っていたことは覚えています。」,これは間違いないですね。
      

はい,間違いないです。
   

次に,18項を示しますが,杉山さんが亡くなった後ですが,永覚店内のロッカーを調べたときに,杉山さんの当時のロッカーの中には,「当時ロッ力ーに入っていたのは,会社から支給されている白衣と制服と,私物である下着,筆記具,タバコがあっただけで,靴,本類はありませんでした。」とあります。それを「30センチ角ぐらいのダンボール箱に」「詰め店長に渡しました。」と書いてありますが,それは間違いないですか。
      

はい,そう記憶しております。
   

これが,杉山さんに返されたかどうか,あなたは聞いていますか。
      

分かりません。
   

あなたが段ボール箱に詰めて,店長に渡したことは間違いないですね。
      

そこまでは聞違いないです。
   

杉山さんの仕事ぶりですが,杉山さんが店内を走っていたということは覚えてないですか。走って,走るようにして,仕事をしていたというような印象はないんですか。
      

ありません。
 

乙第26号証を示す
2ページの10項,よく店内を走っていましたが,走り回らないと仕事がこなせないということではなく,元気でフットワークが軽いから走っていたということです。」と書いてありますが,Yさんも杉山さんが元気に走って仕事をしてたということを書いてるんですが,そういうのをあなたは見掛けたことはないですか。
      

ゼロではないです。お客様からの相談で呼ばれたときなどは,走るわけではなく,早歩きでというような感じで動いているのは見ています。
   

杉山さんの仕事ぶりについて,その上の段ですが,10項のところですが,「杉山さんはよく働いてくれる人と思っていました。とにかく元気で,やる気に満ち溢れ,自主的・自発的に仕事に取り組んでいました。」と,そういうふうにYさんは述べておられるんですが。
      

はい。店内装飾などにおいても,とっても自発的にPOPを作られていたかと思います。
   

POPなんかもよく書いてたんですね。
      

はい,書いてらっしゃいました。
   

その後に,「例えば,医薬品など商品の品出しは担当パートが行いますが,杉山さんは,手が空いているときには,自ら進んで,客が薬を買って減った商品の補充を行っていました。」とありますが,これもあなたが見てた,受けた印象とは間違いないですか。
      

はい。


11:35〜11:37-反対尋問-                                                           ページTOPへ

原告ら代理人(中谷弁護士)
乙第19号証を示す
これは,Iさんというパートさんですね。
      

はい。
   

この方の陳述書の2ページ9項,「杉山さんはフットワークが軽く,呼ばれたらすぐ対応して走ってこられました。」,アナウンスがあった場合に,すぐ来て対応してくれたと,こう書いてあるんだけれど,先ほどの陳述書と同じうに,やっぱり店内をよく走ってたんじゃないですか。
      

最初も申し上げましたように,お客様とぶつかるというのは非常に危ないので,早足で歩くということはあっても,走るということはありませんでした。
 

乙第24号証を示す
これはあなたの書かれた陳述書ですね。
      

はい。
   

6ページから7ページにかけて,A店協賛セール,5月17目のことですが,先ほど聞かれたときに,杉山さん,店長,Kさんがホテルから来たか知らないと,覚えてないとおっしゃったんですが,ここにはホテルから来たと言いてありますね。
      

本当ですね。
   

その日ですが,あなたが一番最初に到着したんですか。
      

はい。お店には初めに到着したと思います。
    

「外売場にポカリスエットを陳列しました。」と言いてありますね。
      

はい。
   

あなたが一番最初に店に来て,かぎを開けて,こういう陳列作業に掛かってたということになるんですか。
      

違います。かぎは持っていなかったので,皆さんが到着するのを待ってという形です。
    

「最初に外売場にポカリスエットを陳列しました。」というのは,そうするとどういう意味ですか。
      

どういう意味というのはちょっと分かりにくいんですが。
   

あなたは,そうすると,皆さんが来るのを待ってから,最初にこの仕事に就いたという意味なんですか。
      

そうです。かぎを持っていないので。店内に,外売場ももちろん入れませんので,皆さんがいらっしやってからということです。
 

11:37〜11:38-再主尋問-                                                           ページTOPへ

被告代理人(服部弁護士)
先ほど,杉山さんの勤務ぶりで,自主的に自ら進んで商品の補充などを行っていたというようなことがありましたが,あなた自身はそういうことを実際に行っていましたか。
      

はい,行っていました。
   

杉山さんがやっていたのと同じような形で。
      

はい,そうです。
   

あと,あなたは,I店とA店に異動になってると最初におっしやってましたけど,こちらの2つの店舗は,あなたがいた当時の永覚店と比べて,忙しいんですか,暇ですか。
      

忙しいです。
  

その2店舗のほうが。
     

はい,忙しいです。
   

永覚店よりも忙しかった。
      

はい。

 

◎11:38〜11:50-補充尋問-                                                            ページTOPへ
裁 判 官
先ほど,月に2回から3回,管理薬剤師になった後も早く帰ることがあったと,通し勤務ではあっても店長とかから許しを得て早く帰ることがあったということですけれども,あなたが帰った後,薬剤師の方はどなたかおられたんですか。
      

分からないです。交替でということではありませんでした。
   

スギヤマ薬品をお辞めになったということですが,これはどういった理由から辞めたんでしょうか。
      

家庭の事情です。
   

できる範囲で結構ですけど,詳しくお話しできますか。
      

母親がちょっと病気でして,家事一切と,あと,金額的にもよりたくさんお金を稼がなきゃいけなかったからです。
   

スギヤマ店時代には家事を手伝う時間というのはなかったんですか。

 

なかったわけではないですが,全体に夜9時に閉店ということなので,その時間になってしまうと,一般的に食事の時間というのはもっと前だと思いますので,その時間に食事を作るためということです。
   

杉山さんがまだ御存命のとき,平成13年6月7日以前のところですけど,あなたは,正式に配属になった後,早番ですかね,Aというシフトで勤務されていることが多かったように記録からうかがえるんですけれども,あなたが早番のシフトで実際に出勤したとき,あなたよりも先に杉山さんが来ていたことというのはどれぐらいありましたか。ほとんど杉山さんが早かったのか,ほとんどあなたのほうが早かったのか,半々だったのか。
       

ほとんど私のほうが早かったです。
   

あなたは大休,お店の開店時間の何分ぐらい前に来られてたんですか。
      

10分から15分ぐらい前です。
   

杉山さんは,少なくてもこの5月17日以降については,開店より10分ない時間のところで出勤されてきたということですか。
      

17日以降ですか。
   

あなたがAという。
      

協賛セールの間はほぼ変わりなく来たと思いますが,それ以降は,遅番ということで,12時にいらっしやることもあったかと思います。
 

裁 判 長
そういう意昧で聞いてるんじゃなくて,本来の勤務時間が例えば10時からだとすると,その何分ぐらい前に来てましたかと。例えば12時なら,12時より何分前に来てましたかという。
      

10分前ぐらいだと思います。
 

裁 判 官

平成13年6月7日に貴紀さんが亡くなった後ですけど,あなたが管理薬剤師として,実質的に永覚店ではあなた1人が薬剤師になったということでしたけども,この後,シフトは変わりましたか。
      

はい,変わりました。
 

甲A第24号証を示す
これはどのように変わりましたか。

 

一日一日,どのように変わったかまでは。たしか陳述書に書かせていただいたかと思うんですが。
   

陳述書は記憶に基づいてあなたが作成したものでしょう。
      

はい。今答えろというのはちょっと分かりません。見せていただければ思い出すことはできるかと思います。
   

今は記憶にないということですね。
      

今,この日がこうというのは分かりません。
   

おおむね,どういう傾向だったかというのは分かりませんか。
      

遅番勤務ということに変わりはなく,休みが移動したという形だったと思います。
   

通しになったということはなかったんですか。
      

なかったと思います。
   

あなたが遅番で出勤された際,ほかの店からの薬剤師の方と交替になったとかということはありましたか。
      

ありませんでした。
   

6月7日以降について,あなたが出勤された際,よその店から応援に来ていた薬剤師というのはその時点ではいなかったと,出勤の時点ではいなかったというふうにお聞きしていいんですか。
      

全部とは限りませんが,亡くなられた後だったということもあり,Ksブロック長が度々いらっしやってましたので,来たらいたということはありました。
   

Ksブロック長と会ったことはあるんですか。
      

会ったことはあります。
   

どのぐらいですか。
      

ちょっと分からないです。
   

勤務表というのは,どこに置かれていましたか。
      

勤務表?
   

どういったものか分かりませんか。
      

勤務表?
 

乙第2号証の14を示す
 

出勤簿。
   

勤務表,分かりますね,これ。
      

はい。
   

あなたについてもこういう表は作成されていましたね。
      

はい。
   

これはふだんはどこに保管されていたとか,掲示されていたとか。
      

事務所の中に,角に穴が開いていますのでノリングを。
   

リングファイルに閉じられていた。
      

リングファイルではなく,単語を覚えるときのリングをしてあって,休憩室内のホワイトボードの角に掛けてありました。
   

判こは,シャチハタで押されてましたか。
      

はい。
   

シャチハタは,ふだん,どうされていましたか。
      

私の場合に関してはですが,自分で持っていました。
   

退社するときも持ち帰ってたということですか。
      

白衣に入れっ放しです。
   

会社の中に置きっぱなしだったということですか。
      

はい。
   

杉山さんはどうだったか分かりますか。
      

分かりません。
 

裁 判 長
平成13年5月16日から,本配属になったということでしたね。
      

はい。
   

それまではお店のほうには余り顔を出さずに,本部等で,あるいはほかのお店で,研修をしていたということなんですか。
      

3分の1程度は本部で研修がありました。
   

残りはじゃあ,お店に出ていたんですか。
     

はい。
   

杉山さんと一緒に仕事をされている期間も,あなたは,やっぱり通しが多かったんですか。
      

新入社員で教育期間ということもあって,通しということは,協賛セール中以外は,ほぼなかったと思います。
   

なかったんですか。
      

杉山さんと一緒に働いているときですね。
   

そうです。
      

はい。
   

そうすると,あなたはむしろ早番,杉山さんは遅番が多かったと,そういう記憶ですか。
      

そういう記憶です。
   

杉山さんは通しが多かったということはないですか。
      

私と重なっていた期間で,A店協賛セールの間以外に関しては,通しが多いという印象はありません。
 

甲A第24号証を示す
これの23,2 4, 水,木のところですけれども,見ていただけますか。
      

はい。
   

24は,あなたは実際にお休みになったんですか。
    

そうだったと思います。ちょっと分からないです。
   

23日は,杉山さんは出勤されていましたか。
      

分からないです。
   

お休みですけれども,昼のお休みは,あなたは取っていたんですか。
      

はい。
   

それは決まった時間に取っていたということなんですか。
      

違います。
   

どういう形で,どういう時間帯に取ってたんですか。
      

12時から2時の間に休憩に入って,1時間取るというような感じでした。日によって違うということです。
   

それは,だれがどうやって決めてたんですか。
     

例えば遅番勤務であれば遅く取るし,通しであれば真ん中で取るとか,そのような感じで,基本的には決まっておりまして,あとはその前の日にローテーションをホワイトボードにつけて帰るんですが,その時点で,ローテーションを組む方が何時から休憩ということを一応決めるという形でありました。
   

それで,勤務としては,薬剤師が1名ということもあるわけなんですかね。それとも,原則として2名いましたか,お昼の時間ですが。
       

1名のこともありますし,2名のこともあります。
   

もしその時間帯にお客様が医薬品について説明してくださいということがあれば,そうすると,対応しないといけないということになるんですね。
   

はい。都度,応じてます。
 

協賛セールの間のことですけれども,これは,帰りは皆さん一緒に,特に正社員の方ですけれども,一緒に帰られてたんでしょうかね。御記憶いかがでしょう。
   

すべての日に関してっていう記憶はないんですが,ある1日だけは,みんなそろって帰ったと,はっきり記憶しております。
 

それは何か理由があるんですか,記憶してる理由。
   

はい。レジ精算の際に,実際,レジ上の売上げと,キャッシャー内の売上げの金額が合わなかったので,何度か,こう,数え直しましたので,ハプニング的なことがあったので,記憶しています。
 

それは,皆さん,手伝って作業をしたということですか。
   

はい

 

-終-

 

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