スギヤマ薬品の薬剤師

 杉山貴紀は何故過労死
したのか?

 

 

平成19年5月29日第15回口頭弁論(証人尋問)

 

尋問調書

 

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証人:被告会社証人 E氏

 

□11:50〜12:20  13:05〜13:15 -主尋問-
    
質問者:被告会社代理人 ●弁護士 
■13:15〜14:00 -反対尋問-
    
質問者:原告代理人 岩井弁護士
■14:00〜14:05 
-反対尋問-
    質問者:原告代理人 水野弁護士

□14:05〜14:10 -再主尋問-
    
質問者:被告会社代理人 ●弁護士 
□14:10〜14:15 
-再主尋問-
    質問者:被告会社代理人 服部弁護士

■14:15〜14:17 -再反対尋問-
    
質問者:原告代理人 中谷弁護士
◎14:17〜14:34 -補充尋問-
    
質問者:裁判官

 

 

 

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11:50〜12:20 13:05〜13:15-主尋問-
被告代理人(●弁護士)
乙第21号証を示す
これはあなたの陳述書ですね。
      
はい,そうです。
   
代理人弁護士に詳しく述べられた内容を弁護士がまとめて,あなたが内容が正しいかどうか確認の上,最後に署名捺印されたんですね。
      
そうです。

あなたの経歴ですけれども,今お見せしたこのあなたの陳述書の1ページの第1項,2項に書いてありますが,このとおりなんですね。
      
はい,間違いありません。
   
あなたは,被告株式会社スギヤマ薬品,以下簡単に被告と呼びますが,の永覚店の店長をやっていましたね。
      
はい,そうです。
   
いつからいつまでですか。
     
平成12年4月1日から,平成13年8月31日までです。
   
その間に,杉山貴紀さん,以下,貴紀さんと申し上げますが,永覚店に勤務しておられましたね。
      
はい,そうです。
   
13年6月7日にお亡くなりになったんですね。
      
はい,そうです。
   
貴紀さんは,平成12年3月末に,被告に薬剤師として入社したわけですね。
      
はい,そうです。
   
その後の貴紀さんの配属はどういうふうになったか,あなたは御存じですか。
      
はい。平成12年4月6日だと思いますけれども,千代田店に仮配属になりました。
   
それからどうしましたか。
   
その後,5月16日で永覚店に本配属に決まりました。

あなたと貴紀さんの面識ができたのは,永覚店への本配属のときからですか。
  
はい,そうです。

貴紀さんが永覚店に配属された当時の永覚店の構成員は,人数で言うとどういうふうでしたか。
   
社員が3名,パート,アルバイトが17名です。

うち,薬剤師は何という方でしたか。
   
Itさんです。

平成12年5月当時の正社員は,あなたとIt薬剤師さん,そして,貴紀さんが加わったということですか。
   
はい,そうです。

その後,この構成が変わりましたね。
   
はい。

どういうふうに変わりましたか。
   
Kmさんが13年4月ごろに入りました。

Itさんはどうなりましたか。
   
Itさんは,平成12年10月16日に転勤になりました。

Itさんの代わりにはどなたか来られたんですか。
   
はい。Kさんです。

が,配属になったわけですね。
   
はい,そうです。

そして,時間的にはその後に,Kmさんが,永覚店に薬剤師として加わったわけですね。
   
はい,そうです。

永覚店の開店時間,閉店時間は,それぞれ午前10時,午後9時でしたね。
   
はい,そうです。

いわゆるお店が休みになる日というのはどういうふうでしたか。
   
正月の1日と,毎年2月と8月の各1日が棚卸しのために休みになります。

それ以外はそうすると。
   
営業しております。

永覚店の店の毎目の開け閉めというのはどうやってやっていましたか。
   
セコムキーを使って開け閉めをしてます。

警備会社で有名なセコムという会社のキーですね。
   
はい。

そのキーですけども,平成12年5月,貴紀さんが配属になった当時ですが,だれとだれが持っていましたか。
   
私とItさんと貴紀さんです。

それぞれ1組ずつということですか。
   
はい,そうです。

実際に,そのキーを使用して開閉をやっていたのはだれですか。
   
大部分は私です。

この当時の永覚店の約20名の方々の勤務ローテーションというのはどのようになっていましたか。
   
パートさん,アルバイトの方々は,出勤日,出勤時間は契約で決まっておりますので,その日,その時間に出ていました。

正社員の方は,どういうふうにしていましたか。
   
私と,その当時,Itさんになりますけど,その当時はそれぞれがお互いに,どっちかが休んだ場合,他方が出勤するように,たしか,ローテーションを組んでおります。

あなたが店長で,そして,Itさん,あるいはその後のKさんはどういうふうに呼ばれていましたか。
   
ナンバー・ツーと呼ばれています。

薬剤師である貴紀さん,それからKmさん,こういった方は,どのようにローテーションを組んでいましたか。
   
それぞれの都合に合わしてです。早番,遅番,通しと,3つの勤務区分に分けていました。
 
その勤務ローテーションの割り振りはだれが行いましたか。
   
私が行っております。

その割り振りを,あなたはいつやりましたか。
      
毎月,16日から,当月の15日までの分を,その月の7日までに作っていました。
   
そして,その勤務ローテーションですけれども,被告の本部には知らせていましたか。
      
はい。
   
どうやって知らせていましたか。
      
作成の都度,ファックスにて送っていました。
   
あなたがやっておったんですか。
      
はい,そうです。
   
あなたがいったん作った勤務ローテーション表ですけれども,その後,変更されることはありましたか。
     
はい,ありました。
   
その変更は,具体的にはどのようにしていましたか。
     
7日までに作成した勤務表を,その月の16日までの間に,各従業員が私に申し出た場合,変更することがありました。
   
その勤務ローテーション表ですけれども,現在,被告において保管していますか。
      
いいえ,保管していません。
   
どうして保管してないんですか。
      
そのデータは,毎月大体16日ごろに前月分を消すため,大部分が表は残ってません。
   
データを消すというのは,コンピュータ上のデータということですか。
      
はい,そうです。
  
いわゆる,次のデータを上書きしてしまうということですか。
      
はい,そうです。

乙第5号証を示す
これは今お伺いした勤務ローテーション表の一つですよね。
      
はい,そうです。
   
これが残っておるのはなぜなんですか。
      
たまたまこれ,Kmさんが保存してたと思います。
   
これを見ますと,平成13年5月16日ないし6月15日のものですよね。
      
はい,そうです。
   
これだけをたまたまKmさんが取っておられたということですか。
      
はい,そうです。

乙第3号証を示す
ここにも,今度は平成13年4月16日ないし5月15日の勤務ローテーション表がありますね。
      
はい。
   
この手書きの部分というのは,だれの字か分かりますか。
      
下の字は私の字だと思います。
   
下というのは。
      
こちらの「抽選会」とか,「会ギ」とか,「店長会」ですね。それはブロック会という意味で私が書いたと思います。
   
一番上の欄外にある「Ksブロック長様」という字はどうですか。
      
これはKさんだと思います。
   
一番下の「よろしくお願い致します」というのはだれの字ですか。
      
Kさんだと思います。
   
これはどこにあったものですか。
      
これは,愛知労働局で,うちの人事担当者がたしか入手したと思います。

乙第4号証を示す
これは,平成13年3月16日から4月15日のやはり勤務ローテーション表ですね。
      
はい。
   
これはどうして残っていたんですか。
      
これはKさんが個人的に持っているパソコンのフロッピー内に残ってたと思います。
   
元は電子データだったということですか。
      
そうですね。
   
乙第4号証の勤務ローテーション表によりますと,貴紀さんの平成13年3月16日,一番左の勤務ローテーションは,通し,つまり午前10時から午後9時までとなっていますね。
      
はい。
   
実際はどうだったが,あなた,調べましたね。
     
はい。
   
どうだったですか。
      
実際は,早番勤務で,7時から1時間残業してました。
   
早番というと午前10時から7時まで。
      
はい,そうです。
   
更にそこから1時間の残業。
      
はい,そうです。
   
そういったことは,あなたはどうやって分かりましたか。
      
勤務表を見ていただけると分かると思います。

乙第2号証の1ないし15を示す
今あなたが言われた勤務表というのは,ここにあるこういった表のことですね。
      
はい,そうです。

乙第2号証の13を示す
ここに,平成13年3月16日から4月15日までの勤務ローテーション表がありますね。
      
はい。
   
これによって,先ほど言われた,貴紀さんの平成13年3月16日の実際の勤務時間というのがある程度合理的に推測できるのですか。
      
はい,できます。
   
具体的にどういうことなのか,説明してください。
      
この勤務表を見ていただきますと,同日16日,1時間残業になってます。もし通しでしたら,2時間の残業が付くはずです。ところが,1時間ということは,通し勤務から早番勤務に変わったということが推測されると思います。
   
この「1」の字はだれが書いたものですか。
      
私が記載しました。
   
あなたはこれにうそを書いたようなことはありますか。
      
いいえ,ありません。
   
正しく書いてあるんですね。
      
はい。

乙第13号証の10を示す
これがいわゆるセコムのかぎの開け閉めのデータですよね。
      
はい,そうです。
   
平成13年,2001年3月1日から3月31日までの分ですね。
      
はい。
   
この3月20日のところを見でください。ここでは,3月20日は午前7時57分,セコムが解除されていますね。
      
はい。
   
これはだれが解除しましたか。
      
私です。
   
あなただということはどうして言えるんですか。
      
これは,前日,永覚店でワックス作業がありましたので,店内の通路上に商品とかショーケースが一杯置いてありましたので,その商品を倉庫に入れてあったものですから,これを朝早く来て元の位置に戻しました。
   
それをあなた自身がやったということですか。
      
はい,私1人でやってます。

乙第2号証の13を示す
先ほどもお見せしましたが,こういう勤務表ですね。
      
はい。
   
この勤務表の出欠の捺印は,だれが,いつ,やっていましたか。
      
本人です。
   
いつやっていましたか。
      
出勤日ですね,毎日の出勤日に帰る際に捺印を押してました。
   
帰宅する際にね。
   
はい。

それから残業時間の記載というのはだれがやっていましたか。
   
私です。

いつ,記載していましたか。
   
時には残業した翌日につけた場合もありますし,大体,過去1週間から半月分まとめて記載したこともありますし,あと,7月15日ごろですね,先月の16日から15日までの期間,さかのぼって残業をつけたことが多いと思います。

乙第2号証の13の裏を見てください。この裏の注意書のところを見ますと,「勤務の管理責任者は」,「時間外・休日勤務・欠勤・休暇などが発生したら,その時点で記入をし,後日まとめて処理することはよくありません。」と書いてありますよね。
   
はい。

今のあなたのそういう残業時間のつけ方というのは,こういう注意書に必ずしも沿っていませんね。
   
はい,どうもすみません。

それはどうしてなんですか。
   
まとめてつけたということですか。

うん。

・・・・・・・・・・・・・・。

特に理由があるんですか,それとも,あなたの性格からですか。
   
性格もありますし,時に残業やって忘れとって,次の日につけた場合もあります。

この残業が行われた直後に記載したことも,実際にはあるわけですか。
   
はい。

それで,もう一度,例えば,この乙第2号証の14を見てください。これを見ますと,4月20日を除いて,そのほかの日の残業時間というのはいずれもずうっと2時間というような記載になってますよね。
   
はい。

それから,乙第2号証の13を見てください。これを見ますと,今度は残業時間は,いずれも,これはすべて1時間というふうになっていますね。
   
はい。

貴紀さんのお仕事というのは,いろんな例えば売出しであるとかイべントであるとか,そういう永覚店の状況に応じてもちろん勤務しておったわけでしょう。
   
はい,そうです。

そうすると,こういう2時間でずうっとだとか,1時間でずうっとというような,そういう画一的なものにはなりにくいんじゃないかというふうに思うんですが,いかがですか。
   
一応あり得ますね,これですと。

あり得るというのは,1時間ばかりということ,あるいは2時間ばかりということがあり得るということですか。
   
はい,そうです。

それはどうしてですか。
   
私が店長ですので,特に新入生の貴紀さん………。

何か配慮をしたんですか。
   
こういう棚替えとか,ほかのもろもろの行事があった場合でも,大体1時間から2時間程度の残業で帰るように配慮してました。

貴紀さんのほうから,どれだけの時間,残業したいというような希望が出たようなことはありましたか。
   
はい,ありました。大体一,二時間,残業をさせてくださいという希望がありました。

何かそれについての理由を彼が言ったことがありましたか。
   
まず早く仕事を覚えたいということですね。

彼の希望に応じて,残業してもらったということもあったわけですか。
   
はい,ありました。

そうすると,端的に言って,永覚店では,彼がどうしても残業しないと回っていかないというようなことが度々あったのか,なかったのか,どうですか。
   
そういうことはないです。
 
なかった。
    
はい。

むしろ,そうすると,仕事を覚えたいという彼の希望に応じて残業をやってもらったということですか。
    
はい,そうですね。

乙第2号証の10をもう一度見てください。この残業時間の記載というのを,あなたは,いつ記載したか,ある程度筆跡等で分かりますか。
   
はい。これは,過去1週間から半月ほどにかけて記載したと思います。

具体的に,大体の筆跡の具合等で,どういうふうかを言っていただけますか。
   
18日から21日まで,21日に記載したと思います。 22日,23日を,23日に記載してます。それと,25日から31日まで,31日に記載しておると思います。それと1月4日から6日で,6日に多分記載してます。それと11,12については12日に記載したと思います。

1月8日から10日,「有」と書いてありますね。これはどういう意味ですか。
   
これは貴紀さんが風邪を引いて熱を出して休んだからです。

だから,「有」というのはどういう意味ですか。
   
有給を取ったと,お休みを取りました。

その理由が風邪を引いて休んだということなんですね。
   
はい,そうです。

乙第2号証の10の1月3目を見てください。ここは,「休」という字に更に斜めの斜線が引いてありますよね。
   
はい。

これは,どういう事情なんですか。
   
これはたしか,12月の中ごろだと思います。 1月3日に出勤すると,正月手当が支給されるということをたしか貴紀さんが聞いて,私に,その3日を出勤して,そのかわり13日を休みたいという申出がたしかあったと思います。

そうすると,その前に,休みがこれ,まず,書いてあったわけですね。
   
はい,そうです。全部の予定を含んで書きました。
   
貴紀さんのそういう申出に対して,あなたはどうしたんですか。
      
了承しました。
   
そして,この勤務表については,どうしたんですか。
      
その了承したときに,1月3日のところの休みに斜線を引きました。
   
貴紀さんは1月3日は出勤したんですか。
      
はい,出勤してます。
   
この乙第2号証の10の,今の1月3日ですが,貴紀さんの出勤の捺印がないですよね。
      
はい。
   
それはどうしてですか。
      
彼が押し忘れたと思います。
   
この1月3日の貴紀さんの出勤に対しては,きちんと出勤手当は被告として払っているんですね。
      
出勤手当というのは,正月の手当という意昧でしょうか。
   
はい,そうです。
      
はい。

乙第13号証の11を示す
このセコムの利用状況報告書の平成13年4月20日のところを見てください。これを見ますと,午後10時19分にいったん施錠になってますね。

はい。
   
そうしてまた午後10時31分解除とありますね。
      
はい。
   
それから午後11時47分施錠と,こういう記載があります。
      
はい。
   
これはなぜだか分かりますか。
      
これは,私が1人で仕事をしとるとき,おなかがすいたものですから,10時19分に永覚店の近くのコンビニにおにぎりを買いに行きました。
   
そのときは,永覚店に残っておったのは,だれとだれですか。
      
Kさんと,貴紀さんと,アルバイトの女性だと思います。

この10時19分のところですよ。
   
違います。これは私1人です。

乙第13号証の11を見てください。 13年4月20目は午後9時閉店だったわけですね。
   
はい,そうです。

その後,どういうことをやったか記憶ありますか。
   
抽選会の片付けをしておりました。

だれとだれがいましたか。
   
私とKさん,貴紀さんの3人で。

その仕事というのは何時ころ終わりましたか。
   
午後9時半前に終わりました。

その後,あなたはどうしましたか。
   
その後は,私は休憩室にたばこを吸いに行きました。

貴紀さんはどうしましたか。
   
そのとき休憩室で貴紀さんもたばこを吸っていました。

あなたはそのときは貴紀さんに何か言いましたか。
   
抽選会の在庫をチェックするので先帰ってくださいということを言いました。

で,あなたはどうしましたか。
   
店内に戻り,抽選会の残の在庫チェックの作業を行いました。

貴紀さんはどうしましたか。
   
Kさんと貴紀さんとアルバイトの女性で,休憩室で雑談をしておりました。

その後,貴紀さんはどうされましたか。
   
雑談して,少しして,10時前だと思います,貴紀さんとKさんとアルバイトの女性たちは一緒に帰ったと思います。

その後,あなたはどうしましたか。
   
私は店内に残り,抽選会の残の在庫チェックを1人でやっておりました。
   
その後,おにぎりを買いに外にいったん出たということですね。
      
はい,そうです。
   
そして何時ころ帰りましたか。
      
11時47分です。

乙第13号証の12を示す
5月15日のところを見てください。セット時間,いわゆる店を閉める時間が23時54分と書いてありますね。
      
はい。
   
これはどうしてか分かりますか。
      
これは倉庫整理を1人でやっておりました。11時54分に帰りました。
   
貴紀さんはこの日はどういうふうだったか分かりますか。
      
遅番勤務です。

貴紀さんはこの日は何時ころ帰宅したんですか。
      
9時50分ころだと思います。
   
9時の閉店後,貴紀さんはこの日は何をしていましたか。
      
アルバイトの女性と休憩室で雑談をしておりました。
   
あなたはそのとき何をしてましたか。
      
途中,この日に本部から連絡の書類が来たもんですから,夕方に貴紀さんに仕分けをしといていただいたので,その書類に目を通し,翌日にパートさんに指示を出すように準備をしておりました。

乙第13号証の13を示す
6月3日のところを見てください。これもやはりセコムのセット時間が23時6分ということになっていますね。
      
はい。
   
かなり遅いですね。
      
はい。
   
これはどうしてですか。
      
これは特売の準備を1人でやっておりました。
   
で,11時6分に帰ったということですか。
   
はい,そうです。

これはあなた以外の者はいなかったんですか。
   
私1人で特売の準備をやっておりました。

この日は貴紀さんはどういう勤務形態だったですか。
   
通し勤務だと思います。

貴紀さんは何時ころ帰られましたか。
   
9時40分ころ。

9時閉店後,40分までは貴紀さんは何をしていましたか。
   
休憩室でアルバイトの女性と雑談をしておりました。

そうすると,会社としての仕事はやってなかったということですか。
   
はい,そうです。

乙第13号証の13の6月5日を見ますと,セコムのセット時間が23時10分となっていますね。
  
はい。

これはなぜですか。
   
これもメール便で連絡の書類が来たため,夕方貴紀さんに整理をしていただきまして,閉店後,その書類の整理をしていました。

その整理をしたのはだれとだれですか。
   
私1人です。

貴紀さんはどうしたんですか。
   
アルバイトの女性と休憩室で雑談をしておりました。

何時ころ帰っていきましたか。
  
9時………。

記憶がないですか。
   
すいません。

同じく6月6日を見てください。この日,貴紀さんがどういう勤務形態だったか記憶ありますか。
   
通し勤務です。

貴紀さんは何時ころ出勤してきましたか。
   
9時半ころです。
   
彼の様子はそのころはどんなだったですか。
      
普通で,いつものように缶コーヒーを持って休憩室でたばこを吸って,白衣に着替えながら準備をしておりました。
   
特に健康上の異常というものは,あなたが見るところどうでしたか。
      
ありませんでした。
   
彼はその後は10時開店後はどうしていましたか。
      
医薬品売場で商品の品出しとか商品の棚の前出し作業とか,あとお客さんの接客をやっておりました。
   
午後9時に閉店になりましたね。
      
はい。
   
その後どうしましたか。
      
9時閉店後は,Kmさんと私と貴紀さんで焼き肉屋さんに行きました。
   
何時ころ店を出ましたか。
      
9時35分ころです。
   
焼き肉屋さんには何時までいましたか。
      
11時すぎまでいました。
   
焼き肉屋での貴紀さんの御様子はどうだったですか。
      
元気で生き生きしておりました。
   
焼き肉の食べ具合なんかはどうでしたか。
      
ものすごくよく食べました。
   
あなたの見るところ,6月7目に貴紀さんが亡くなられたんですが,その直前1か月の貴紀さんの勤務具合というのはどんなふうだったですか。相当に忙しいときだったのか,それとも暇なときだったのか,普通だったのか。
      
5月20目前後はやっぱりA店協賛のセールがあったため忙しかったですけど,その後はものすごく暇になって,逆にぶらぶらしていることが多かったです。

   
直前に,ものすごく集中して働かなきゃいかんというような必要性は。
      
なかったです。
 

■13:15〜14:00-反対尋問-                                                        ページTOPへ
原告ら代理人(岩井弁護士)
まず貴紀さんの仕事ぶりについて伺います。貴紀さんは前向きで積極的だったという印象はありますか。
      
あります。
   
自主的,自発的に仕事に取り組んでいましたか。
      
そうですね。
   
あなたは貴紀さんの仕事ぶりについて好感を持っていましたか。
      
それは好感を持ってます。
   
あなた自身,今の証言であるように閉店後も仕事をしていたということはあるんですね。
      
はい,ありました。

甲A第19号証を示す
これはあなたの労働基準監督署での聴取書で,16年8月6日,2回目のことですね。
      
はい。
   
あなたのお名前が書いてあって,後ろにあなたの御署名がありますね。
      
はい。
   
これは裁判になってから御覧になったことはないですか。
      
読みました。
   
39項を見てください。ここに「基本的に閉店後は仕事をせず私を含め残っているのはいろいろ話をするためです。」と書いてありますね。
      
はい。
   
こういうふうに証言されたんですね。
      
はい。
   
ここで書いてあることは今法廷で述べられたことと違うことが書いてあるように読めるんですが,違う認識で証言されましたか。

被告代理人(●弁護士)
異議があります。誤導尋問です。

裁 判 長
誤導ではないと思いますけれども,先ほどあなたは,あなた自身のことを聞かれて,閉店後も残って仕事をしてましたとお答えになりましたね。
      
はい。
   
それで先ほどの甲A第19号証の39項には,「基本的に閉店後は仕事をせず私を含め残っているのはいろいろ話をするためです。」と書いてあります。これはそのまま読めば,あなたも含めて閉店後は仕事をしないというふうに読むのが当然です。そうではありませんか。
      
そうですね。
   
矛盾してませんか。
      
すいません。勘違いしてました。

原告ら代理人(岩井弁護士)
労働基準監督署で言われたことと今日証言されたことは違うことをおっしゃっているんですね。
      
すいません。記憶間違いですので。
   
違っていることをおっしゃっているのか,同じことを違う表現で言っているという認識でおられるのか,そういうことなんですけども。

被告代理人(●弁護士)
異議があります。質問が抽象的過ぎます。いつからいつまでの間のことなのかをまずはっきりしていただきたい。先ほどはいつからいつまでのことというふうに期間を限定して聞いてないですね。単に,いつ残業をしたということを言っているだけであって,そのこととこの39項とは何ら矛盾はしてないと思いますが。

裁 判 長
限定するかしないかは,反対尋問をする方の自由です。もし限定すべきだと思えば再主尋問でやってください。

原告ら代理人(岩井弁護士)
あなたは,労働基準監督署では仕事をしないと言ったけれども,今日の証言ではそれを変えられて,仕事をしていたこともあるというふうに訂正されるということでいいですか。

・・・・・・・・・・・・・。
   
貴紀さんは閉店後,施錠するまでの間,店舗に残っていたこともありますか。
      
私が施錠するまでの間ですか。
   
はい。
   
9時閉店後ですか。

はい。残って仕事をしていたということはありませんか。
   
ありません。

甲A第19号証の29項を見てください。「当時いろいろ物そうで,夜1人で残らないようにしていました。本杜から閉店後なるべく全員で店を出るようにとの指示がありました。」,同じく30項「杉山も最後まで残ることが多かったと思いますが,月に何日最後までいたのかということは記憶にありま
せん。」とありますね。
   
はい。

ここに書かれていることは間違っているんですか。
   
はい,間違ってます。

あなたは労働基準監督署でこれを読んで聞かせてもらいましたね。
   
はい。

最後に署名をしていますね。
   
はい。

当時,間違っているけれども,そのまま署名をしたんですか。
   
はい。私の記憶間違いです。

当時,間違えたということは分かっていたけれども,署名をしたんですか。
   
そういう意味じゃないです。

当時は間違っているとは思ってなかったんですね。
   
思ってなかったんです。

甲A第19号証の33項を見てください。「店内のワックスがけは月1回でしたが,いつやっていたのか記億にありません。ちなみにK店の場合第4木曜です。」,34項,「時間は閉店後2時間くらいだったと思います。だいたい午後11時頃終了しました。12時までかかることはありません。私と杉山,Kが残りました。」と書いてありますね。
   
はい。

これは正しいんですか,違っているんですか。
   
私の記憶間違いです。

間違っているんですか。
      
間違ってます。
   
当時,間違っているという認識で署名をしましたか。
      
そのときはそういうふうに思っていました。
   
当時は間違ってないと思っていたんですか。
      
はい。
   
貴紀さんにもセコムのカードキーは渡していたんですね。
      
はい。
   
貴紀さんは,かぎを開けるあるいはかぎを閉めるということはなかったということですか。
      
大部分はなかったです。
   
大部分というと,全くないとは言えない。
      
1度くらいはあると思いますけど,大部分はないです。

乙第21号証を示す
あなたの陳述書ですが,46ページを見てください。平成13年5月26日の項ですが,このころはKさんはもう転勤をしていて,お店はあなたと貴紀さんとKmさんでしたね。
      
はい。
  
この日はあなたは休みなんですが,杉山さんは遅番とありますね。
      
はい。
   
そうすると,店を開けたのはだれですか。
      
Kmさんです。
   
Kmさんがかぎを開けているんですね。
      
はい。
   
乙第21号証の53ページ,5月31日の欄を見てください。この日はあなたはお休みの目でしたね。
      
はい。
   
この日杉山さんは通し勤務でしたが,通しじやなくなったということでしたね。
     
はい。
   
この日かぎを開けたのはどなたですか。
      
Kmさんです。
   
Kmさんは当時ナンバー・スリーでしたね。
      
はい。
   
5月の下旬からナンバー・スリーになったんですね。
      
そうですね。
   
これで見る限り、その間に2回かぎを開けているんですが、本当に貴紀さんは勤めている間に1回くらいしかかぎを開けたことはありませんか。
      
私の記億では1回くらいしかないです。
   
勤務表についてお尋ねします。勤務表は1週間まとめてつけたりということもあったんですね。
      
はい。
   
半月をまとめてつけたりということもあったんですね。
      
はい。
   
1か月分をまとめて記載したということもあったんですね。
      
はい。


甲A第16号証を示す
あなたの聴取書ですが、8項を見てください。ここには「出退勤管理については、月に各自が勤務する日、休む日を決め、勤務する日については、早番、遅番、通しも決め、それを私が勤務ローテーション表として作成し、事務所に掲示します。出勤してくると、事務室内にある各自の勤務表に各自が印鑑を押します。時間外時間欄については、通し勤務の人は、私が時間を記入し、遅番、早番の場合は各自が残業を申し出て認めて残業させた場合に各自がその時間を記入します。」と書いてありますね。
      
はい。
   
これは事実と違っていますね。
      
私の記憶間違いです。
   
当時はそう思って労働基準監督署で証言されたんですか。
      
はい。
   
故意に違うことを労働基準監督署で言ったということはありませんか。
      
ありません。
   
甲A第19号証の38項を見てください。ここには「勤務表の時間外勤務の時間は,ローテーション表をもとに私がつけました。」と書いてありますね。
      
はい。
   
これは正しいんですね。
      
予定として見てつけていました。
   
勤務表に私がつけましたというのは正しいんですか。
      
はい。
   
そうすると,聴取書が2つありますが,2回目の聴取書で訂正をされたということになりますか。
      
ちょっと記憶にない。もう一回お願いします。
   
甲A第16号証は平成15年2月14日付けのあなたの聴取書,甲第A19号証は平成16年8月6目のあなたの聴取書ですが,この2つの聴取書は今見ていただいたように勤務表のつけ方について違うことを述べられていますね。甲A第19号証の38項と甲A第16号証の8項を見てください。証言を変えられていますね。
      
はい。

乙第2号証の1ないし15を示す
毎日の「時間外休出」という欄がありますね。この時間は貴紀さんの時間外労働の時間が正確に記入されているんですか。
      
はい。
   
乙第2号証の9と12を。見てください。この両者には時間外休出の欄に時間が書かれていませんね。
      
はい。
   
時間外の一番下の「A」というところに,乙2の9では21時間,乙2の12も21時間と書かれていますね。
      
はい。
   
この時間外労働の1か月の合計は正確なんですか。
      
はい,そうです。
   
あなたは陳述書で書かれたり,あるいは被告の主張書面で書かれているんですが,毎目の時間外労働が何時間あったかということは思い出せたんですか。
      
勤務ローテーション表から割り出しました。に,予定を書き込んでいましたので。
   
乙第2の9は12年の12月分ですが,この勤務ローテーション表が手元にあったんですか。
      
12月の13日に記載しました。
  
この1日1日の勤務時間,時間外労働というのは,何時間働いたかということが思い出せたんですか。
      
7月11日ころに,貴紀さんの側から1時間ずっの残業をしたいという申入れがあったから,その日につけました。
   
どこにつけたんですか。
      
勤務ローテーション表にまず予定としてチェックを入れてますので。
 
その勤務ローテーション表というのは,この裁判で見たことないんですが。
      
ないです。その当時はありました。
   
この裁判に当たっては,この毎日毎日の時間外勤務やどういうローテーションだったかということも,被告から主張が出ていることは知っていますか。
      
はい。
   
それはあなたが何か説明をして,そういう主張が出てきたんではないんですか。
      
はい,そうです。
   
あなたは何を基にこの1日1日の貴紀さんの勤務時間を思い出したんですか。
      
月の行事ですね,月2回あります特売と,毎週2回の発注,2回の納品,こういう行事から彼の仕事内容を書きました。

乙第8号証の1ないし8を示す。

これはKさんの勤務表ですね。
      
はい。
   
KさんはEさんがお休みのときには通し勤務になるんですよね。
      
はい。
   
通し勤務の場合だと,閉店時間に帰っても2時間の残業が付けられるということですね。
      
はい。

乙第8号証の1から9で,1か月に1回も2時間付いてない勤務表がありますね。
   
はい。

乙第8号証の1から6までを見てください,この間は1日も2時間の時間外が付いていませんね。
   
はい。

Kさんの勤務表は,Kさんの実労働時間を反映していないんではありませんか。
   
いいえ,反映してます。

通し勤務でも1時間しか付けなかったということになりますか。
   
いいえ,休憩を。

通し勤務のときにも,休憩をしたから1時間の残業なんですか。
   
休憩を2時間入れています。

Kさんが2時間休憩したとおっしゃったからなんですか。
   
はい。

今の勤務表の中には通し勤務じゃない日もありますね。
   
はい。

その日も1時間付くこともあるんですか。
   
1時間残業したから1時間残業付けました。

乙第2号証の14の13年5月分,貴紀さんが亡くなった月は1か月ないので,その前の月を見ますと21時間付いていましたね。
   
はい。

乙第8号証の7を見てください。これは同じ13年5月のKさんの勤務表ですね。
   
はい。

左下を見ますと21時間付いていますね。
   
はい。


全く同じ1か月聞の時間外労働なんですが,双方ともきちんと時間外を毎日チェックして付けられた正確な時間なんですか。
   
はい。
 
乙第2号証の1ないし15の中で,2時間以外の時間外労働が付いているのは,貴紀さんの場合でいくと乙2の3,その後ば乙2の14,ここまでないですね。
    
はい。
 
平成12年6月下旬から平成13年4月上旬まで,貴紀さんは一度も通し勤務はなかったということになりますか。
    
はい。
 
貴紀さんについては,通しだったら2時間付けていたんですか。貴紀さんに2時間付いている日はありませんね。
    
はい。
 
ない月がずっとありますね。この間は通し勤務はなかったというふうに読んでいいのか,そうではないのか。
    
なかったということです。
 
甲A第19号証の8項を見てください。ここには「杉山は薬剤師でしたから,とおしで来てくれた方が助かるため,だいたいとおしをお願いしていました。ただし,時間中の休憩は昼と夕方と2回とらせていました。」とありますね。
    
はい。
 
そうすると,これは事実と違うんですか。
    
事実と違います。
 
事実と違うことを言った理由はどういうことだったんですか。
    
平成16年の8月にN事務官と面接した際,その当時薬剤師問題がありまして,いなくちゃ駄目なんだということになりまして,そのときにその話をしたと思います。

そうすると,通しじゃないといない時間ができてしまうので,通しだというふうに言ったということですか。
    
はい。
 
このころ,貴紀さんは土曜日,日曜日は休みですね。
    
はい。
 
あなたがそう言っても,土曜日,日曜日に薬剤師がいないということははっきりするじゃないですか。
      
はい。

それは理由にならないと思いますが,本当にそういう理由だったんですか。
     
はい。
   
ちなみに,土曜日,日曜日は薬剤師はいましたか。
      
いませんでした。
   
いないまま営業されていたんですね。
      
はい。
   
薬剤師問題があるから,通しでなくちゃならないと思ってそう言ったということでしたね。
      
はい。
   
本当にそうですか。
     
はい。
  
甲A第19号証の40項には,「8で杉山がだいたいとおしであったと述べましたが,ローテーション表を見ると確かにそうですが,私には昔のことで憶えていません。」と書いてありますね。
     
はい。
   
わざわざ40項で付け加えているのはどうしてか,覚えがありませんか。
      
記憶にないです。
   
あなたが8項で書いてもらったことを訂正してもらいたくて,付け加えてもらったんじゃないんですか。

・・・・・・・・・・・・・・。

分からないですか。
      
はい。
   
通し勤務だと言い張ろうと思ったら,これは覚えてませんと少しあいまいな表現をしていますよね,わざわざこんな訂正をするのは理解できないんだけれども,どうしてか思い出せませんか。
      
ちょっと記憶にないです。

乙第6号証を示す
ローテーション表なんですが,分かりますか。
      
はい。
   
貴紀さんのところを見てください。Cが多いですね。
      
はい。
   
そういう勤務形態をあなたのほうでも作っていらろしゃったということは間違いないですね。
      
はい,そうです。

乙第4号証を示す
これは3月16日から4月15日までですが,ここも貴紀さんのところを見ていただくと,もともと作った勤務ローテーション表はCかBかということですね。
      
はい。

乙第2号証の13を示す
これは13年4月ですから乙第4号証と同じ期間の勤務表ですが,ここは1時間ばかりですね。
      
はい。
   
通し勤務は貴紀さんは実際はなかったということになりますか。
      
はい。
   
この勤務表のとおりだということになると,乙第4号証で書いたCが全部変更になったということですか。
      
変更になることがあるということで書いてあります。
   
変更になったんではないですか。
      
変更です。
   
あなたの陳述書の乙第21号証を見ますと,乙4に書いてあるCについて,すべて変更になったことを書いていませんか。覚えてませんか。
      
覚えてない。
   
乙第21号証の3ページの(4),「彼は,実際には早番勤務に変更になり,更に7時より1時間残業したと推測されます。」と書いてありますね。
      
はい。
   
それから次に3月20日,同じ3ページの(7),「『通し』となっています。しかし,実際は『早番』勤務に変更となり,更に,1時間残業をしました。」と書いてありますね。
   
はい。

3月26日,5ページの(12)というところですが,「杉山さんは『通し』になっていました。しかし,彼は,実際には午前11時出勤に変更になりました。」と書いてあります。3月30日,(17)で「杉山さんは『通し』動務 でしたが,午前10時から午後8時までの出勣に変わりました。」とありますね。ずっと見ていくと,この乙第4号証のローテーション表にあるCは,すべて変更されていて,ローテーション表と全く違って通し勤務は1日もないことになるんですが,間違いないですか。
   
はい。

そういう変更になったということで本当に間違いないんですか。
   
はい。

あなたの陳述書は毎日のことがかなり詳しく書いてあるんですが,本当にあなたが思い出して書いたものでいいんですか。
   
はい。

例えば,43ページに,13年5月22日に貴紀さんが何時に出社してきたかということが書いてありますね。これもあなたの記憶のとおりに書いたんですか。

・・・・・・・・・・・・・。

この日は前日のプロ野球の結果の話をされたんですか。
   
前々日です。これはそのときはやってませんので,その前のことを言ったと思って間違って書いたと思います。

何と何の試合ですか。

・・・・・・・・・・・・・。

被告準備書面の3ページの64というところには,中日・巨人戦の結果の話をしたと書いてあるんですが,聞違いないですか。
   
間違いないです。

そこに「昨日」と書いてあるんですけれども,それは間違いですか。
   
私の記憶間違いです。

本当にその日に野球の結果の話をしたという記憶があるんですか。
   
はい,あります。
   
貴紀さんが亡くなってから、貴紀さんの遺品を御両親が返してほしいと言っているのは知っていますね。
      
はい。
   
貴紀さんの遺品としてシャチハタの印鑑があったんですか。
      
はい。
   
そのシャチハタの印鑑はロッカーにあったんですか。
      
机の引き出しです。
   
ロッカーには、会社のもの以外に遺品は何もなかったんですか。
      
なかったです。
   
そのシャチハタの印鑑は返却したんですか。
      
はい。
   
いつ返却したんですか。
      
四十九日にお参りに行った日です。
   
どこで。
      
貴紀さんの自宅です。
   
だれに返したんですか。
      
お母さんに返したと思います。
   
本当ですか。
      
はい。
   
あなたは貴紀さんが亡くなった後に、ロッカーの整理をしましたね。
      
はい。
   
Kmさんと整理をしたんではありませんか。
      
Kmさんと2人でやりました。

甲A第17号証を示す
これはKmさんの聴取書ですが、18項には「杉山さんが亡くなった後に、永覚店内の杉山さんのロッカーの中を整理したのは、私とE店長ですが、ロッカーには原則私物は入れないようにしていますが、当時ロッカーに入っていたのは、会社から支給されている白衣と制服と、私物である下着、筆記具、タバコがあっただけで、靴、本類はありませんでした。30センチ角ぐらいのダンボール箱に、下着、筆記具、タバコを詰め店長に渡しました。店長が葬儀が終わった後に,改めて両親のところへ行くと言っていましたから,その物は両親に渡っていると思います。」と書いてあります。
   
はい。

あなたは私物を段ボールの箱にKmさんと入れたんではありませんか。
   
そうです。

さっきはロッカーの中に何もないとおっしゃったんだけれども,変えられるんですね。

すいません。

これを見て思い出しましたか。
   
はい。

ロッカーの中に下着,筆記具,たばこはあったんですか。
   
あったと思います。

思います。

・・・・・・・・・・・・・・。

筆記具は会社の備品ですか。
   
はい。

下着とたばこはあったんですか。
   
下着じゃないです。

何があったんですか。
   
景品です。

それは私物なんですか。
   
私物じゃないです。下着じゃありません。

たばこはあったんですか。
   
たばこはありました。

それは私物ですね。
   
はい。

それを箱に詰めたというのは間違いないんですか。
   
はい。

それはどうしたんですか。
   
その後の記憶がないです。どこに置いたか。
   
記憶がないなら,記憶がないということで説明していただければよかったんじゃないですか。
      
はい。
   
今まで,たばこがあったことや,それの記憶がないということは御両親は聞いてないのではありませんか。
      
ちょっと記憶にないです,それも。
 

14:00〜14:05-反対尋問-                                                         ページTOPへ
原告ら代理人(水野弁護士)
今の点ですが,ロツカーの中から白衣とか制服も出てきたんじやないですか。
      
ちょっと記憶にないです。
   
原告両名から再三遺品を返してほしいという要望が会社にあったことはあなたは知っていますか。
      
はい,聞いております。
   
それは会社から聞いておりますね。
      
はい。
   
それじゃ,会社のものだともおっしゃるんですが,ロツカーの中のものを返そうという気にはならなかったんですか。
      
返そうということになってました。
   
なんで返さないんですか。
      
それはほとんど会社の備品であったので,そのままにしました。
   
会社の備品であっても,こんなにも遺族が遺品をと言って切望しておられるんだから,返そうという検討はされなかったんですか。
      
してません。
  
しなかった。
     
申し訳ございません。
   
なぜですか。
      
そういう意識がなかったからです。
   
意識がなかったというのは,どういう意味ですか。
      
会社のものだと思って,意識がなかったです。
   
遺族の気持ちは分からなかったということですか。
      
分かります。
   
分かるのに,なぜ返さなかったんですか。
      
そこまで気が回らなかったです。

乙第4号証を示す
これは平成13年3月1 6日から4月15日までの貴紀さんのローテーション表ですが,杉山貴紀さんのC勤務が当初のローテーション表には載っていますね。
      
はい。
   
それをすべて変更したということを,あなたは陳述書で述べておられますね。
      
はい。
   
薬剤師は1人しかいなくて,C勤務を変更したら薬剤師がいない時間が大幅に増えるんじやないですか。
      
増えます。
   
なぜC勤務を変更したんですか。
      
‥………変更の理由ですね。
   
薬剤師がいなければならないにもかかわらず,仮にC勤務をAとかBに変更したとすれぱ,なぜいない時間を作るような変更を店長としてしたんですか。
      
薬剤師のブロック長がいましたので,応援に来ていただくこともありましたので,そういうときにCから遅番勤務とかに変えています。
   
C勤務をわざわざ短くして,応援を求めるというのはおかしいじやないですか。
      
それが定期的に回ってくるためです。特にうちのブロック長の場合ですと,週3回から4回永覚店に回ってきてますので,そういうときに限ってやっていると思います。
   
C勤務のときにブロック長が常に回ってきたということですか。
      
はい。
 

14:05〜14:10-再主尋問-                                                          ページTOPへ
被告代理人(●弁護士)
甲A第19号証を示す
これはあなたが平成16年8月6日に豊田労働基準監督署において述べたものだということは間違いないですね。
      
はい。

29項を見てください。ここに「当時いろいろ物そうで,夜1人で残らないようにしていました。本社から閉店後なるべく全員で店を出るようにとの指示がありました。」と書いてありますが,この被告本社からの指示というのは,貴紀さんが亡くなるよりも前にあったのか後にあったのか,どちらですか。
   
後です。

先ほど,あなたは記憶間違いだと言われましたが,この労働基準監督署での質問というのは,貴紀さんが亡くなられる前のことについて質問されたわけですよね。
   
はい。

したがって,あなたとしては貴紀さんが亡くなった後の本社の指示を答えたんでは,それは間違いだったわけですね。
   
はい。

そういう意味で,これは間違いだということですね。
   
はい,そうです。

それでは,貴紀さんが御存命のころに,あなたあるいはそのほかの人が,貴紀さんも含めて,本社からの指示に従って全員で店を出るようにしたというようなことはあったんですか,なかったんですか。
   
なかったです。

30項を見てください。「杉山も最後まで残ることが多かったと思います」という,この最後というのはいつのことを言っているんですか。
   
営業終了後です。

というと,何時までということですか。
   
午後9時までです。

そのことをここでは最後までと言ったわけですね。
   
はい。

そうすると,30項であなたが述べている「杉山も最後まで残ることが多かった」というのは,その最後までというのは,営業時間の9時まで残ることが多かったということで正しいんですか。
   
はい。
   
34項を見てください。ここに「時間は閉店後2時間くらいだったと思います。」うんぬんということで,そして「私と杉山,Kが残りました。」と, これは先ほど間違いだったと答えましたね。
      
はい。
   
それは間違いなんですか。
      
はい。
   
ワックスがけの作業に貴紀さんが立ち会ったことは,あなたの記億する限りあったんですか,なかったんですか。
      
なかったです。
   
こういう労働基準監督署というお役所で,きちんと本当のことを言わなきゃいかんよということで聞かれたにもかかわらず,正しいことを答えなかったのはどうしてですか。
      
私の記憶間違いです。
 

14:10〜14:15-再主尋問-                                                          ページTOPへ
被告代理人(服部)
乙第4号証を示す
13年3月16目から4月15日の間の勤務ローテーション表です。ここに,貴紀さんのローテーション表上はCというのが入ってると。ただ,実際の勤務表には2時間というのがっいていないと。こちらの通しについては,すベて変更になったのであるという説明がありましたね。
      
はい。
   
その変更の理由について,あなたは,ブロック長が回ってくることがあると。 そのときには,薬剤師が不在にならないので,時間をずらすことができたんだという趣旨のことをおっしゃいましたね。
      
はい。
   
更にその後に,では,貴紀さんのC勤務のときだけブロック長が回ってくるのかという質問があったことは覚えてますか。
      
ちょっと覚えてないです。
   
そういう質問があったんですが,そういうことなんですか。ブロック長は,貴紀さんがC勤務の日だけ回ってくるのか,そういうことではなく,先ほど週に3回くらいとおっしゃいましたかね,そういうときには,貴紀さんがCの日もあるし,Bの日もあるし,休みの日もあると。
      
はい,そうです。
 

■14:15〜14:17-再反対尋問-                                                        ページTOPへ
原告ら代理人(中谷弁護士)
勤務ローテーション表のことを教えてください。勤務ローテーション表は,いつ廃棄することになっていたんですか。
      
毎月16日ですね。
   
あなたの手元にあるものも,全部16日に廃棄したんですか。
      
はい。
   
先ほどあなたは,時間外勤務の時間について,1週間とか半月とか1か月まとめて書いたこともあるとおっしゃいましたね。
      
はい。
   
これは事前に,今月は半月まとめて書こうとか,1か月まとめて書こうと計画するんですか。
      
してません。
   
例えば,まとめて1か月前の勤務を書いたときは,何を基に時間外勤務の時間を書くんですか。
      
勤務ローテーション表に基づいて,あと,記憶でつけてます。
   
そうすると,16日過ぎてから1か月前の分を書いてたら,勤務ローテーション表がなくなってる場合もあるわね。その場合だけ残ってるんですか。
      
毎月13日から15日の期間に,そういう勤務報告書を作成してますから。
   
そのときに,1か月前の分を作るんですか。
      
ローテーションは,毎月7日までです。勤務報告書については,毎月13日から15日です。
   
勤務報告書には,それぞれ16日から15日までの記載がありますね。
      
はい。
   
勤務表を作るとき,勤務ローテーション表は必ず前月分が残ってることになるんですか。
      
はい。
   
勤務ローテーション表は,先ほど廃棄するとおっしやったけれど,大体本部のだれに送るんですか。
      
その当時は営業本部長でした。
  
どなたですか。
      
その当時のH部長です。
   
勤務ローテーション表の中には,Ksブロック長の名前の書いたものもありましたね。
      
はい。
   
Ksブロック長には送ってないの。
     
途中から変わってます。
   
そうすると,1部だけ本部に送るわけですか。
      
はい。
   
それからあと,店長であるあなたは持っているんですか。
      
各1人ずつ持ってます。配布してます。
   
全員1人ずつ持っているんですか。
      
はい。
   
全員1人ずつ持っているのは,電子データですか,それとも紙ですか。
      
紙です。
   
電子データはだれが持っているんですか。
      
パソコンの中です。
  
だれのパソコンの中ですか。
      
会社のパソコンです。
   
それはあなたのパソコンとか,例えばKさんのパソコンとか,杉山さんのパソコンとか,そういうことではないんですか。
      
会社のパソコンに毎月入ってます。
   
会社ではだれのパソコンと決まってないんですか。
      
永覚店のパソコンですから。
   
それを各人がフロッピーに写すなんてこともあるんですか。
     
私はないですけど,それを勝手に社員が出す場合もあると思います。
 

◎14:17〜14:34-補充尋問-                                                            ページTOPへ
裁 判 官
休憩時間についてお伺いします。貴紀さんが休憩時間中に,例えばお客さんから薬について説明を求められることがあった場合,どのようにして対応しておりましたか。
      
食事中ですので,仮にその時間が30分掛かったとしたら,30分遅く休憩に入るようにしました。
   
休憩時間中にあった場合はどうですか。
      
30分ずらしたりします。その時間分をずらしてます。
   
実際,貴紀さんが,例えばお昼御飯を食べている最中とかにお客さんから薬についての説明を求められた場合にどうしているんですかということです。既に休憩に入った後の段階でのお話。
     
何と言ったらいいかな………。
   
誘導しますけど,呼出しをしたことはありますか。
      
私の記憶ではないです。
   
一切ないというふうに断言できますか。
      
私が休みのときは分かりませんけど,私のいたときには記憶ないです。
   
休憩時間中も,呼び出される可能性はあったということですか。
      
あると思いますけど,私の記憶の中では,私のいるときにはなかったです。
   
貴紀さんは,仮に休憩時間中に説明を求められた場合,お客さんのところに説明に赴くことにはなっていましたか。
      
なってましたね。私がいないときは,多分やってたと思いますけど。

乙第2号証の9を示す
下のほうの欄の「A時間外計」のところに21時間と書いてありますね。
      
はい。
   
この時間を算出するに当たっては,月2回ある納品とか月2回の特売があったことを基に,あなたは21時間というふうに考えたというふうにおっしゃいましたね。
      
はい。
   
それ以外の理由というのはありますか。納品2回,特売2回以外に,21時間というものを算出するに当たって,あなたが基礎にした資料というのはありますか。
      
発注ですね。本人はやりませんけど,発注の指示ということで。
   
本人は発往しないのに,指示をパートにやってたということですか。
      
はい。企画書などを見て,発注の指示を出すんですね,各パートに。
   
その発注の指示をした後に何か貴紀さんはやらなきゃいけない仕事はあるんですか。
      
ないです。
   
ないにもかかわらず,なんで貴紀さんは自分でやらなかったんですか。要するに,ほかにやることがあれば,発注の指示をパートにお願いして自分はやらないというのは話として分かるんですけれども,そうでないということになりますよね,あなたの話からすると。
      
一応そういうふうに言ったつもりでおるんですけど。
   
そういうふうにというのは,発注の指示をした後に貴紀さんはやる仕事があったんですか。
      
接客がありますので,そういうことで。

被告代理人(服部弁護士)
今,裁判官の質問の御趣旨は,乙第2号証の9の原本を作った当時,21時間ということですよね。

裁 判 官
その後に発注の話が出たので,どうだったのか,残業時間とかになるのかというのを聞いてるだけです。

被告代理人(服部弁護士)
本人は多分ちょっと。分かってますか,質問。その時点で21時間と書いた理由を聞かれてるんですよ。あなたが陳述書を作るときじやないですよ。
     
すみません,勘違いしてました。

裁 判 官
話を戻します。もう一度確認しますが,発注するというのは残業になることはあるんですか。発注が必要な場合に,指示を出すのでも結構ですが。
      
指示を出すのは昼間ですね。パートのいるときです。
   
発注は残業にはならないということですか。
      
はい。
   
納品については,先ほど,なるということでしたね。
      
はい。納品日に店内がだれもいなくなるものですから,医薬品のほうにさっと行っちゃうということで。
   
月2回の特売日は,どのくらい残業になるんですか。
      
1時間です。
   
では,この21時間はどうやって説明するんですか。
      
7月11目以降でしたか,そのころに。
   
乙第2号証の9は,12年12月分ですね。
      
はい。ですから,その当時,早く仕事をいろいろ覚えたいという彼からの要望がありましたので,それで1時間という形をとってます。
   
特売日かどうかというのは関係なかったということですか。
      
それもあります。関係ないということもありますけど,特売日とかそういうときにも,1時間というのも,やっぱりいろいろ覚えたいという彼の前向きな姿勢がありましたから,希望をかなえた次第ですけど。

乙第21号証を示す
28ページの上から6行目,「午後9時の閉店後は」というところから,文章の中身を確認してもらえますか。
     
はい。
   
あなたも9時59分まで残っていたということですけれども,このときあなたは,仕事か何かをこの時間までされていたんですか。杉山さんはどうも雑談していたようなことが書いてありますが,このときあなたはどうされていたんですか。
      
私は,A協賛の特売準備をしてました。
   
あなたはお仕事をされていた。
      
はい。
   
Kさんは。
      
多分やってないと思います。
   
あなた1人でやっていたんですか。
      
はい。
   
5月9日でいいですね。
      
はい。

乙第3号証を示す
5月9日の「行事」のところを御覧いただきたいんですけれども,「B会ギ」と書いてあります。これにあなたは出席されたんじやないですか。
      
はい。
   
何時ぐらいに出席されましたか。
      
9時半から9時40分くらいだと思います。
   
Kさんの陳述書によりますと,あなたは,「午後9時の閉店後,店長は,月に1回開催される豊田エリアのエリア会議に出席するため店を出ました」とあるんですけれども,通常その会議というのは何時ごろからやるものなんですか。
      
閉店後ですから,大体10時ぐらいからです。
   
そこの会場までは,9時40分に出ても間に合うんですか。
      
十分間に合います。

裁 判 長
乙第5号証を示す
17日から20日,これが協賛セールだったんですね。
      
はい,そうです。
   
このときは,大体何時ごろお店を開けて作業を始められましたか。
      
オープンは10時からです。
   
出勤して業務に従事する時間。
       
17日は8時ごろだと思います。 18,19,20日は,8時半からだと思います。
  
今言われた8時とか8時半にかぎを開けたんですか。
      
はい,私がその前に来て開けてます。
   
あなただけ先に来て,かぎを開けたんですか。
      
はい,私がほとんど開けてますので,大部分。
   
ほとんどじゃなくて,協賛セールのことをお聞きしてるんですけど,17から20日までの間。これは,あなたが1人だけ先に来てかぎを開けたんですか。
   
はい,そうです。

間違いないですか。
   
はい,間違いないです。

何のためにそういうことをしたんですか。特に16,17日は,ほかの杉山さんたちと一緒にホテルに泊まったわけですよね。
   
はい。

一緒に行かないで,あなただけ先に行ったということですか。
   
すみません。17日については全員で行きましたので,そのときに私は自分のセコムキーで開けてます。それは間違いないです。自信持って言えます。

18日は。
   
18日は,自分が1人で来て,朝,開けております。

それは,何のためにそうされたんですか。
   
問屋さんが応援に来てる可能性がありますので,ですから早めに来て,自分が開けたわけです。

2 3,24を見てください。このとき杉山さんは出勤されたんですか。
   
23は休みだと思います。

24は。
   
24は出動したと思います。

何か根拠になるものはありますか。
   
24日というのは,A店に応援に行く日だと思いますので,そのときは1日前にキヤンセルになってますので。あれっ…………。

違うんですか。
  
………たしかそうだと思います。

今は24のことを言われたのね。
   
はい。

24は,前の日にA店の応援がキャンセルになったので,お休みにしたと。
   
ちょっと待ってください………。ちょっと覚えてない,すみません。
 
23は出勤されたかどうか,どうですか。23も覚えてない。
   
出勤してると思います。

24は休んだように記憶してる。
   
ちょっと待ってください。ちょっと記憶にないです。すみません。

 

-終-

 

 

 

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